シンプルにかわいいコスメ選抜

家がち＆マスク生活で、これまで以上にファンデーションを塗る頻度が減り、すっかり塗っても下地派に。これから暖かくなるにあたり、ちょっと透明感が出る粉ものがあると、仕上がりキープにはもちろん飛散物の付着物防止や皮脂対策にも便利です。まずは、持っていてうれしいかわいい粉をリストアップします。

モダンなフラワープリントのコンパクトに、こなれた粉。
ニューセンセーションズ PPP ¥5500〈限定発売中〉／THREE

フラワープリントのパレットに、４種のペールカラー（くすみ対策のラベンダー、血色のピンク、赤み補正のイエロー）とノンパールのニュートラルカラーを組み合わせたプレストパウダー。肌色を無闇に明るくし過ぎないTHREEの色センス、乾燥肌にもしっとり馴染む７種の植物オイル配合、肌の質感を覆い隠さずに狙った場所にふわっと塗れるブラシ付きと、いろんなことがちょうどよいこなれ粉です。

小さいけどずっしり、伊達女の美意識
スペシャル パウダー コンパクト ¥5500〈２月１日限定発売〉／レ・メルヴェイユーズ ラデュレ

リンゴをかたどったコンパクトは裏から見るところんとしたハートフォルム。ミラーまわりには蜂があしらわれています。ラデュレと聞いたら「マカロンのね」ってわかる人は多いけれど、ブランド名の「メルヴェイユーズ」のパートについては意外と知らない人も多いのでは？　「メルヴェイユーズ」は、フランス革命後の恐怖政治が続く18世紀、臆することなく自らの美意識や価値観、スタイルを追求した伊達女たちの総称です。このコンパクトの小ぶりながら意外なほど重量感のある「あえて軽くしてない」設計は、小さな持ち物の質量やディティールにいたるまでこだわった当時の女性たちへのリスペクトが感じられますね。限定発売なのはコンパクト（パフと専用のベルベット小袋つき）だけで、中身は別売りの「パウダーファンデーション」「プレスト パウダー」、「ラスティング プレスト パウダー」をセットする必要があります。ラデュレの粉はどれも緻密で上品。ファファファーっとぼかしたチークが映える肌に仕上がります。

消えるけど、いる。シルキーな光沢の6代目
プリズム・リーブル 全4色 ¥6800、同・ブラシ ¥4900／パルファム・ジバンシイ〈2月5日限定発売〉

32年前にデビューし「異なるカラーを組み合わせて理想の肌の仕上がりを叶える」という画期的な発想で旋風を巻き起こした名品の６代目。消えるように馴染みつつ、デリケートでシルキーな光沢がのる。ケースを３回振ってパフにしっかりとった状態で塗っても、粉感や厚みが出ません。色番としては、１が透明感、２がナチュラルでやさしい光沢、３が血色感とハッピームード、４は赤みやくすみを補正。ルースタイプはあまり塗りませんが、これはやはりときめく。別売りのブラシも毛部分が４色仕立てでかわいいです。

キャットと目が合うヴェール系パウダリー
ポール & ジョー パウダー ファンデーション ケース ¥2000／ポール ＆ ジョー ボーテ〈２月5日限定発売〉

西洋菊の花飾りをつけたアクアブルーの瞳の猫ちゃんケース。去年発売したポール & ジョー ヴェール ファンデーション（SPF30・PA+++ レフィル ¥3500）をセットして使います。ヴェール ファンデーションは、ちょっとカバー力＆トーンアップ 効果ある下地に合わせて、「パウダー以上ファンデーション未満ぐらいのカバー力」を求める人におすすめ。ロングセラー下地を擁するブランドならではの、下地で整えた肌を尊重するタイプのパウダリーファンデーション。

塗る瞬間「ふふっ」と童心に直帰する、かわいさで和ませるためにこの世に生まれてきたような新色を、少し先取りでお届けします。

唇をみずみずしく彩るちょっこりクマ
ポール & ジョー リップスティック BEAR 全２色 各¥3000／ポール ＆ ジョー ボーテ〈4月9日限定発売〉
＊リンクなし。

「かわいくて使えないよ……」となる猫リップやドラえもんリップを送り出してきたポール & ジョーの次なる刺客は、ちょっこり佇むクマ……。001のキャリヌールは「甘えん坊なティディベア」という意味のフランス語で、見た目はブルーですが唇の水分に反応してほんのり染まるティントタイプ。私の唇ではフューシャに発色しました。002のピュピュスは、「小さくてかわいい子」という意味。こちらは見ても塗ってもうるっとみずみずしいコーラルレッドです。

ひんやりうるおうクリームフロートリップ
リップスティック LE 全8色 ¥3600／イプサ〈4月2日限定発売、３月19から公式サイトで先行予約スタート〉
＊リンクなし

カラフルなドリンクにアイスクリームを浮かべたフロートを、ひんやりとした塗り心地が楽しい２層のリップスティックに。07 ピーチ、08 ソーダ、09 メロン、10 レモンはトリートメントタイプ。ほのかな色づきのソーダドリンク層で透明感をプラスして、中央のアイスクリーム層で紫外線の影響などによる乾燥をケアします。色はさりげないけど、結構ラメがキラッとしてソーダの楽しさあり。光発色パールが赤い干渉光を発色するので、一見クリアなのですがさりげなく血色感をプラスします。マスクに裏移りしないタイプの、色素ではなくパールで醸す血色感。11～14のカラータイプは、外側のドリンク層がしっかり発色します。私が試したのは13のコーヒーだったのですが、クリアなブラウンでちょっとブロンズぽいメイクに肌見せみたいな時に塗ったらかっこよさそうでした。

混ぜても単色でもかわいいマーブルアイカラー
ヴィセ アヴァン シングルアイカラー マーブル 全5種 ¥800（編集部調べ）／コーセー〈2月16日限定発売〉

メイクで遊ぶんだという気持ちが盛り上がるマーブルパレット。質感は面で光るパーリーという感じで、125のイエロー×ピスタチオだけ大粒パールがキラッキラしています。使いやすいのは、121のオレンジ×ブラウン、122のモーヴピンク×くすみレッド。面白みでは、カルチャークラブ（ボーイ・ジョージ）の再解釈！という80年代気分で塗りたい123のビビッドピンク×パープルです。

機能も可愛げも。ドッグやキャット柄が微笑ましい
サスティナブル着圧ソックス「SockWell」

蒸れにくいメリノウールと防臭に優れたバンブーレーヨンを組み合わせて、CO2排出を抑えた紡績工場で編まれたサスティナブルな着圧ソックス「SockWell」。ほっこりからスポーティーまで各種取り揃える中、ドッグやキャットの柄が機能とかわゆみを兼ね備えていてよかったです。一日中履けるライフスタイル着圧タイプを愛用しています。

（番外編）

デイクリーム研究家より「よかったよ」報告です
コスメデコルテ AQ ミリオリティ インテンシブ デイクリーム SPF10・PA ++ 50g ¥35000／コスメデコルテ〈3月16日発売〉
＊リンクなし。

朝のスキンケアの最後に使って「すぐ日焼け止め塗らなくてもまあいいか」とまったり過ごせるような、ちょっとSPFが入っている「UV＜スキンケア」なデイクリームが大好物です。コスメデコルテが擁するプレステージラインから発売予定の「一個じゃなくて一台」と呼びたくなるような煌びやかな品。美容液99%配合の水系ベースでリッチなトリートメント感とベタつきのなさを兼ね備えており、春夏にも使いやすそう。酸化ストレスから肌を守ることに心血を注いだ処方で、いろんな刺激やストレスに晒される時期にうれしい。さりげなく光を操る淡メイクアップ効果があり、よく寝たいい朝みたいなすっぴんになる。

スカヨハを意識せざるを得ない口元用美容液
センサイ トータルリップトリートメント 15㎖ ¥10000／カネボウ化粧品〈3月3日発売〉

カネボウが欧州を中心に展開していたプレステージブランドを、逆輸入したのがセンサイです。この口元用美容液は、発売前から「スカーレット・ヨハンソンが愛用していたらしい」と話題に。面白いのは、唇の粘膜部分とその周りの口元全体にシームレスになじませて使えること。前に美容クリニックの先生に取材した折、「みんなリップクリームをリップだけに塗っているけど、それだと唇の周りにすぼまったようなシワが入る。リップクリームはオーバーリップ気味に塗って」とアドバイスされたのですが、その教えを実践しやすいアイテム。テクスチャーは少し硬めのクリーム状。私は枕元に置いて朝晩塗っているよ。

GINZAの「#BFFぬいぐるみ」企画がとても好きです。SNSでハッシュタグをウォッチするのも楽しい。私もハシビロコウのティッシュケースとカワウソのペンケース(実用も兼ねている！）を愛用しています。

最近、スキンケアのメソッド解説にサラッとオキシトシンの話が出てくるようになってきました。オキシトシンは、別名「愛情ホルモン」や「幸せホルモン」などと呼ばれ、動物や赤ちゃんなどのかわゆきものを触ったり、肌と肌との触れ合いで分泌が促進されると言われています。オキシトシンがストレスホルモンであるコルチゾールの活性を抑え、抗老化につながるというデータも。周りにめぼしい哺乳類がいなくとも、セルフで分泌を促す術の一つとして、スキンケアがあります。効果的なのは、ハンドプレスやゆっくりとしたマッサージ。殺伐としてきたなーという時に、ぜひ取り入れてみてください。

今月後半はちょっと言葉に疲れたなと感じることが多く、普段は外国の言葉だったら気にならなかったりするのですが、言語情報から少し離れて休みたいと夜の静かな時間帯に小さくクラシックをかけることが増えました。Instagramのストーリーでおすすめのクラシックを教えてもらい、Spotifyでプレイリストを作ってみたのでお好きな方は聴いてみてね。

国立公民館主催のルッキズムにまつわる全３回の講座で、初回を担当しました。美容ってルッキズムの対極というイメージがあるかもしれないけど、丁寧に見ればそんなこともなくて、ルッキズムと美容の間で思うことをつらつらとお話ししました。みんなが知ったり考えたりしたほうがいい話は、なるべくどこかでフリーでシェアしたいので、タイミングをみてなんかなんかシリーズでもなんかやりたい。レポートを丁寧にまとめてくださった参加者の方がいらっしゃったのでリンクを貼らせて頂きます。

びっくり！　ありがとうございます♡

Podcastを始めたもののしばらくやって放置していたところ、DMで「またやって」とリクエストをもらい「一人でも楽しく聴いてくれる人がいるなら」とコツコツ続けています。こちらは、どんな感じで配信しているのか、包み隠さずアンケートに答えた5PM Journalのページ。

というわけで、軽く浮上したいときにおすすめのかわいいコスメをつらつらとお届けしました。ちなみに、ちょっとやそっとのかわいいでは癒されないひどく心が荒んでいる時、私はあえて思いっきり殺伐した気持ちに振り切れる作品（人がゴミのようだ！となるアルプス越えが描かれた、塩野七生『ローマ人の物語』のハンニバル戦記パート。死に様コレクション、林望『謹訳 平家物語』。形容や比喩の少ない文体の犯罪ノンフィクション、消費者金融系の漫画、各種北欧ミステリーなど）を浴びて、いっそどっぷり沈殿します。でも、それはそれで疲れるし時間がかかるんですよね。

東京は雪が降ってきました。すごく寒いけど、これからピラティスに行ってきます。2014年から週1の運動をずっと続けていたのにコロナでしばらくお休みに。身体が無理になって年末から人が少ない時間の個人レッスンを再開しています。運動苦手過ぎて、オンラインじゃ続けられない……。みなさまどうぞ健やかにお過ごしくださいませ。

長田拝