セフォラを荒らす子どもたち#sephorakids
こんばんは。感情記録のために使っていたアプリ「Awarefy(アウェアファイ)」に久々にログインしたら、AIチャット機能が搭載されていました。AIのやり取りはとても賢くて、決めつけずちゃんと話を聞いて受け止め(る感じがする)、無難に褒めてほぐして差し出がましくない程度に提案をしてくれて。その上、AIの発言すべてに「👍」と「👎」のボタンがついていて。私は人間だからワンセンテンスごとに「👍」だの「👎」だの押されたら、すぐ心が折れちゃうでしょう。AIは淡々と学習を蓄積するのすごい……。その後、家族と話したら被せてくるし決めつけるし役に立たないアドバイスするしイケてない会話だったのですが、こういう無駄に思える摩擦や未熟さも含めて、人間らしさだったり人同士の関わりなのかな〜とちょっと目先が変わりました。
ちょっとした愚痴とか弱音も、AI相手ならある意味後腐れなくて気楽だなと感じ。先日、介護の人手不足をAIやロボットで補う構想の話を知人にしたら「人間相手より気がラクかも」と返ってきたのを思い出しました。ちなみに介護ロボに関しては、既に日本でも北九州モデルが導入されていたり、介護事業者が人型介護ロボットを開発している中国企業と提携したりしています。その中国企業が開発したパンダ型ロボットがかわいいので貼りますね。介護されるなら、人型じゃなくてパンダ型がいいな。
コスメ専門店セフォラに殺到するα世代
SNSで小学生がメイク動画やコスメ系のASMR(聴覚に訴えかける音声重視の動画)を投稿しているのを見かけ、デジタルネイティブが大人のやっていることを真似したらそうなるよなと微笑ましくもあり、基礎知識やリテラシーがないままSNS独特の美容情報に触れるのは心配でもあり……。
ちょっと前、海外で #sephorakids というタグが出回りました。セフォラは世界に2700店舗あるLVMH傘下の人気コスメ専門チェーン(過去に日本にも進出したことがあったけどたちまち撤退。セフォラの稼ぎ頭はフレグランスなのに、日本ではあまりフレグランス売れなくて撤退という話を聞いたことがある)。セフォラの販売員さんが、マナーの悪いGen Alpha(α世代。だいたい2010年~2025年生まれで、2030年以降に成人となる世代。ざっくり小学生ぐらい。他には「tween」という10〜12歳を表す言葉もよく出てくる)の客について愚痴ったのがきっかけでタグが広まったようです。サンプルをぐちゃぐちゃにしながらフルメイクしたり、親のお金で高額なフレグランスを買ったり、店員さんに失礼な態度を取ったり等々の内容。
その後、α世代の美容行動と結びつけ、さまざまな分析とともに大々的に報じられました。CNNの記事では、専門家が子どもがエイジングケア、特にレチノールやピーリング系のコスメを使うことによる皮膚トラブルを引き起こすと警鐘を鳴らしています。子どもたちにとって、SNSでインフルエンサーが愛用しているスキンケアを使うことがステータスシンボルであり、友だちが持っているのに仲間はずれになりたくないという心理もあるとのコメントも。BBCの記事は、背景にある子ども向け美容マーケットの急拡大に注目。パンデミックを経てSNSに費やす時間が増えインフルエンサーの影響を受けやすいこと、見た目が気になる年代であることが背景にあると指摘しています。
#sephorakids騒動をきっかけにα世代のスキンケアインフルエンサー(と保護者)に批判と関心が向いたのですが、これをおちょくりあてこするような当事者(と保護者)の投稿があったのでピックアップしてみます(リンクは便宜的に主戦場のTikTokじゃなくてインスタにしておきます)。
【セフォラでの買い物マナーについてのレクチャー動画】
6歳からセフォラに通っている双子が、お願いしますとありがとうを言おうなど、買い物する際の3つのルールを伝授。「つまり、彼らはプロフェッショナル」とコメントするのは、マネージャー役の母。
【α世代インフルエンサーあるある(パロディ)】
「私たちはα世代のインフルエンサー、もちろんスキンケアに夢中」
「私たちはα世代のインフルエンサー、もちろん私たちのお気に入りのお店はセフォラとUlta」
「私たちはα世代のインフルエンサー、もちろん#GRWM(Get Ready With Me)やるときヘアバンドつける」
「私たちはα世代のインフルエンサー、もちろんおもちゃなんて持ってない(慌てて隠す)」
【そうだけど、で?】
あなたはスキンケアを使ってるα世代のインフルエンサーですか?と言う質問に、アリアナ・グランデのヒット曲の『yes,and』(そうだけど、何か?)で答える。
見てると面白くてかわいいし、本人たちが楽しんでるのに何が悪いの?という気持ちもわかるし、反骨&諧謔精神嫌いじゃない。この双子の母は、自分の子どもにレチノールは使わせてないとも話している。でも、問題は7歳の子どもが大人向けに開発されたスキンケアを使うことだけではない。キッズインフルエンサーの人権は、児童労働の観点から問題視されているのです。
フランスのインフルエンサー規制法
SNSが子どもや若者のメンタルヘルスやボディイメージ&セルフイメージに悪影響を及ぼすことが社会問題となっている(この話を始めると長いので割愛します)中で、いち早く法規制に踏み切ったのがフランスです。この法律ができるまで、時系列でいうとざっくり3段階を経ているというのが私の把握。規制もするけど保護も考えていて、参考になる。
2020年:16歳未満のインフルエンサーを保護する規制(労働法)が成立
ちなみに、アメリカのイリノイ州でも2024年7月に同様の法律が施行される予定。(さっき紹介した双子キッズインフルエンサーは、オクラホマ州の子たち)
2023年:「ソーシャルネットワークにおけるインフルエンサーの商業的影響力を規制し、その逸脱と闘うための法律第 2023-451号」施行。インフルエンサーがコンテンツ内でフィルターを使用したり画像を加工した場合は明示することを義務付け、美容整形や代替療法を勧めるのは「若者に害がある」として禁止する画期的な内容。
加工の明記がなぜ必要かというと、さまざまな調査データからSNSの加工されたボディイメージと若者の摂食障害に因果関係があると言われているからです。フランスが商業写真のレタッチ明記を義務付けた2017年の時点で、同国では15〜24歳の死因の第2位(1位は交通事故)が摂食障害で、60万人もの若年層摂食障害に悩んでいました。また、2021年に、全てのSNSを対象に広告主やインフルエンサーが写真を加工した際にはその旨の開示を義務付ける法律を施行したノルウェーでは、若い女性の死因の3位が摂食障害でした。ちなみに、可決こそしていませんがイギリスで「デジタル加工されたボディイメージ法案」が提出された背景には、17歳以下の摂食障害による入院が41%増加しているという調査結果への危機感がありました。こういう潮流を見ていると、日本では対策もその前提となる調査も足りてないように感じます。日本の場合は、摂食障害の低年齢化も課題ですね……。
アディクション リップ セラム ティント 全10色 各¥3520/アディクション ビューティー
(おまけ)現場で同業者と被ることが多いアディクションのリップ セラム ティント。この日は3人被ったので記念に撮った。色が安定のおしゃだし、ほどよいみずみずしさがちょうどいいんだよねという話になる。私はどんなに具合の悪い日でも黄色たくさん入れたオレンジ塗るといい感じなので005が多いけど(いちばん上)、今季のトレンドはくすんだ青みピンクなのでみんなそっちを塗っているイメージ。アディクションはアイシャドウとチークのケースは店頭で回収しています。コーセー系列なので、リップは使い切ったあとイオンの回収ボックスに入れるとよいかと。
桜、咲ききらないうちに葉が出てきて……そんな年もある。それではまた。お元気で。
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